マインド

原点

接客業をしていて一番嬉しいことは紛れもなく

お客様からのありがとうです。

それまでの疲れが吹っ飛ぶ魔法の言葉である。

ありがとうと言う言葉はよっぽどのことがない限り笑顔でいうものであって
笑顔と言うものは不思議と連鎖するものであって

あっちもこっちも幸せになれる素晴らしい言葉です。
この笑顔をつなぐ仕事をしたいという理念を打ち立てた私の過去には
こんなお話がありました。

 

それは私がNTTで働いていた頃。

年明け、人手が足らない郊外の家電量販店に
光回線を宣伝するべく出向した日の話。

その頃の家電量販店では家電購入と同時に
光回線に加入するとその場で5万円引きや6万円引きという施策を打って
とにかく日本中のADSLを光回線にするべく本気で今では考えられない
広告費を垂れ流していた時期で

その日も三が日を終えてすぐに電化製品にあまり詳しくない妹さんのために
お兄さんが連れ添う形でまもなく80を迎えるご老人兄妹お二人で来店されていました。

私は声をかけて、ご所望の品を一緒に案内しながら決めて
その後自分はNTTの人間で出向してきているので
もし興味がなくても一度、光回線の話を聞いてくれないか提案した。

基本的に60歳を超えている人には説明する時間がかなりかかるので
暗黙の了解で光回線の話はせずに次の接客に回るのがセオリーとなっていた。

もちろんインカム(無線)では、その人はいいからあっちの若い夫婦に当たれと
指示が飛んでいる。しつこく何度も(笑)

しかしその若い夫婦は光回線に入らないし、なんだったら今日何も買わないわけです。
伊達に毎日現場立ってないわけです。見た瞬間わかるもんなんですそういうのは。

んで結局3時間かかってあれこれ家電の説明して1つずつ決めて
その後回線も申し込んで頂き、その間もずっと色々な話をしてくださり
私自身も楽しい時間を過ごせて最後にありがとうの言葉まで。

本当に恐れ多いです。人生の大先輩に頂ける言葉だとは思わず
本当に嬉しかったです。

すると後日、社長直々に書類のコピーが私に送られてきました。

それは先日ご案内したご老人兄妹がわざわざ筆を執ってくださり
社長宛に私とその時に申し込み用紙の事務手続きをした補佐の子の事を
手紙にしてお褒め下さったのです。

こういった手紙はほとんど前例がないということで
わざわざ私の元にも届けて下さいました。

あの時、自分を信じてしっかり目の前の人から目を離さないで心を通わせて
諦めないで本当によかったと思いました。

笑顔をつなぐって言葉で言うほど簡単なことではありません。

それが他人なら。

でもこっちが本気で笑っちゃえば案外移るものです。

こうやって本当に他人からしたらどうでもいい
だけど私にとっては一生の宝をこれからも一つずつ
増やしていけるように今日も笑って暮らします。

下を向いて電車に揺られる人生を
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